子どもは親を選んで生まれてくる 池川明 (著)
「ぼくは、“お母さん大好き”っていうために生まれてきたんだよ」
ある五歳の男の子は、人生の意味を、上記のようなシンプルで美しい言葉で語っています。私達はみんな、自ら生まれることを選んだこの世界を、心から愛しているのではないでしょうか。愛を思い出して、人生を輝かせること。そして、幸せに生きること。私たちには、そんな生きかたができるはずです。
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子供はお母さんのお腹にいるときから、医学と電子技術の進歩によって、すでに母親の心理状態や外的刺激などに種々の反応をしていることがわかっています。
著者が胎内記憶や、誕生記憶に関心を持つようになったのは助産師さんの孫が書いた誕生記憶の作文を見せられたのがきっかけだそうです。
もちろん、胎内記憶が実在するかどうかは証明できませんが、符合する子どもたちの声に産科医の視点から、生まれようとする赤ちゃんにとって今のお産のシステムが本当にいいのか、疑問を持つようになったのです。
それから長野県諏訪市と塩尻市の保育園と幼稚園で園児を対象に胎内記憶や、誕生記憶の大規模アンケートをとることになりました。
調査結果は、本書をご一読下さい。
著者は産科医という仕事柄たくさんの母子に接して、教えられたことは次のことでした。
1、子どもの選択で両親は選ばれる
2、子どもは両親(特に母親)を助けるために生まれてくる
3、子どもは自分の人生の目的を達成するために生まれてくる(輪廻転生)
ここは本書のテーマでもあります。
これらのことを妊婦さんや家族が、しっかりと受け止めると、確実に育児や子育てがスムーズにいき、子供に深い愛情と教育を注ぐことができると語っています。
人間が生まれるということは、単に肉体が生まれるだけではなく、自分の魂を向上させるための、大きな意志をもった生であると著者は語っています。
魂、いのちという一点からみれば子どもたちの証言は決してファンタジーの世界では片付けられない実に興味深い世界です。
でも決して重い内容ではなく、子どもたちの語る胎内記憶の世界は明るく楽しげです。
出産を控えているお母さんはもちろん、子育て真っ盛りの忙しいお母さんにも、大変読みやすく書かれていますのでおすすめです。
親子や助産師さん保母さん、学校の先生にも是非読んでいただきたいです。
本書は胎内記憶があるかないかということではなく、いのちを語り合うことで家族関係の見直しや、良いお産とは何か、いのちの尊さ、つながりなどを楽しく考える手がかりになれば嬉しいです。
目次
序 章 赤ちゃんは覚えている
第1章 子育ては胎内から始まる
第2章 生まれることは自分で決める
第3章 生と死を超えて
終 章 命のメッセージ
プロフィール
池川明 1954年東京都生まれ。帝京大学医学部大学院卒。医学博士。上尾中央総合病院産婦人科部長を経て、1989年横浜市に池川クリニックを開設。胎内記憶・誕生記憶について研究を進める産婦人科医として、マスコミでも取り上げられることが多く、講演などにも活躍中。またより良いお産を目指して、親子や家族が豊かな人生を送ることが出来るよう、クリニックや講演等でお産の楽しさ、素晴らしさを伝えている。トマス・バーニー医博が創立し、デーヴィッド・チェンバレン医博らも所属する、アメリカ出生前・周産期心理学協会(APPPAH)会員。 著書に、『ママのおなかをえらんできたよ』『おぼえているよ。ママのおなかにいたときのこと』(以上、リヨン社刊・日本版/英語版)『おなかの中から始める子育て』(サンマーク出版・日本版/韓国版)『妊娠と出産』(成美堂出版)『生まれる前からの子育て』(学陽書房)等がある。 |
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