歴史の心理学 日本神話から現代まで 小田晋 (著)
本の紹介
お馴染みの日本史も、角度を変えて見ると、全く違ったものが見えてくる。ヤマトタケル、聖徳太子、空海、信長、秀吉、家康、慶喜、龍馬など、歴史に名を残した人々の人物像や、史上に残る大事件の背景に、心理学の立場から迫る。人々の「心」と出来事が、21世紀を生きるあなたに、生きた範例を示し、学ばせてくれる。
『歴史の心理学』
目次
1 古代――神話と女性原理の時代
「妹の力」に守られたヤマトタケル
「和の心」を尊んだ聖徳太子
奈良朝の政争と御霊信仰……ほか
2 中古――新しい仏教の誕生と女性文化の時代
空海の「求聞持法」による創造性開発
『源氏物語』にみる因果応報の理
藤原道長と「往生」の体験
3 中世――仏教の民衆化と男性原理の時代
男性原理の体現者・北条政子
「建武の中興」の精神医学
足利将軍家の怪物たち……ほか
4 中世――群雄割拠と一族相剋の時代
織田信長の魅力と恐怖
明智光秀と「本能寺の変」の心理ドラマ
戦国武将の運命と食生活……ほか
5 近世――鎖国下のパックス・トクガワーナ
徳川家康の「気配り政治」
江戸の「犯科帳」にみる犯罪と「心の病」
『近世畸人伝』にみる江戸の女性たち……ほか
6 近世――開国から維新へ
幕末の男たちを支えた「妹の力」
「ええじゃないか」と明治維新
大政奉還と徳川慶喜の心理……ほか
7 近代――新しい時代の変動のなかで
戊辰戦争と会津の女性たち
精神医学からみた維新の英傑たち
「明治一代女」と女性犯罪者たち
8 現代――日米関係 心の風景
日米関係の精神分析
「玉砕」と「海行かば」――暗い想念が生んだ敗戦
プロフィール
小田晋筑波大学名誉教授、帝塚山学院大学教授、国際医療福祉大学大学院客員教授。医学博士。専門は精神病理学、犯罪精神医学。精神科の臨床医として数多くの症例を手がける一方、多くの犯罪者の精神鑑定を行う。マスコミへの硬派の提言でも知られている。著書に『日本の狂気誌』(講談社)、『「世紀末日本」の精神病理』(文藝春秋)、『暮らしの心理学』(日本教文社)など多数。 |
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