精神分析入門 下 フロイド,S.(ジグムンド) (著) , 井村恒郎 (訳) , 馬場謙一 (訳)

本の紹介

リビドー理論、エディプス・コンプレックス、死への願望等、無意識解明のための概念を体系的に概説。上巻には「失錯行為」「夢」、下巻には「神経症学総論」を収める。

目次

第三部 神経症学総論
 第十六講 精神分析と精神医学
 第十七講 症候の意味
 第十八講 外傷への固定、無意識
 第十九講 抵抗と抑圧
 第二十講 人間の性生活
 第二十一講 リビドーの発達と性的体制
 第二十二講 発達および退行の観点 病因論
 第二十三講 症候形成の経路
 第二十四講 普通の神経質
 第二十五講 不安
 第二十六講 リビドー理論とナルチシズム
 第二十七講 転移
 第二十八講 分析療法

著者プロフィール


フロイド,S.(ジグムンド)
(1856年5月6日 – 1939年9月23日)フロイト,S.(ジグムンド)とも表記される。精神分析学の創始者。20世紀が生んだ重要な人物の一人である。モラビアに生まれ、ウィーン大学で医学を学び、臨床医になる。はじめヒステリー治療の研究を行なっていたが、1900年に無意識(本人が知らない隠れた心理)の過程がわれわれの考えや行動を決定すると論じた『夢判断』を発表する。これを契機にフロイトの名声が高まり、以後40年間著作物をつぎつぎに発表する。そのなかで第一次大戦後ごろから生命には生体を無機状態にする欲動、つまり「死の欲動」があるのではないかと思索しはじめ、『快感原則の彼岸』を発表。1923年にガンと診断され、以後自分の死と闘いつつ、1938年にナチスから逃れるためイギリスに亡命。1939年に死去。その最後の10年間の内界がうかがえる第一級資料として『フロイト最後の日記 1929〜1939』(日本教文社)がある。
1902年から死の前年までウィーン大学神経病教授をつとめる。精神分析学、深層心理学、精神療法の理論的体型の基礎を築いた。無意識の世界、エゴ、リビドー、夢分析、エディプス・コンプレックスなどの概念・手法を創出し、その後の心理学・精神医学のみならず、政治、経済、教育、芸術など多方面にも大きな影響を及ぼす。『夢判断』(1900)『精神分析入門』(1920)は彼の代表作である。著作は『フロイド選集』(全17巻,書籍版〈4巻のみ〉またはオンデマンド版〈全巻〉、日本教文社)『フロイト著作集』(全 11巻,人文書院)等がある。
井村恒郎明治39年生まれ。昭和4年京都帝国大学文学部哲学科卒、昭和9年東京帝国大学医学部卒、10年東京帝国大学医学部附属病院精神科助手、15年外来診療所医長、16年軍事保護院傷痍軍人下総療養所医官、22年国立国府台病院副院長兼神経科医長、24年国立東京第一病院精神科医長を経て、27年国立精神衛生研究所所長兼心理学部長。30年日本大学医学部教授、48年名誉教授、56年没。我が国の失語研究の第一人者として知られた。主な著訳書に『神経症とは何か』『心理療法』『現代病』のほか、『フロイド選集1精神分析入門上』『フロイド選集2精神分析入門下』『フロイド選集4自我論』などがある。
馬場謙一昭和9年生まれ。昭和33年東京大学文学部独文科卒、37年慶応義塾大学医学部医学科卒、42年慶応義塾大学大学院医学研究科精神医学専攻博士課程修了、昭和42年斎藤病院医師を経て、47〜49年旧西ドイツ・ゲッティンゲン大学留学。51年群馬大学助教授、58年教授、のち横浜国立大学教授、中部大学教授を経て、放送大学客員教授。著書に『精神科の窓から』『精神科臨床と精神療法』、編著に『日本人の深層分析』(全12巻・みすず書房)、共編に『スクールカウンセリングの基礎と経験』、訳書に『精神分裂病』『フロイド選集1精神分析入門上』『フロイド選集2精神分析入門下』などがある。
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